シェルノサージュは、通常版と限定版（AGENT PACK）がありますが、買うなら限定版をと考えていました。買おうかどうしようかと迷っているうちに、限定版の予約も終了してしまい、結局、買うのをやめました。
しかし、バグで評判になっていることを知り、どのようなバグか知りたくなり探していたところ、ゴールデンウイーク最終日に、予約キャンセル分の限定版を見つけて購入しました。
概要
「ガスト」制作ということでアトリエシリーズをPSVITAでネットワーク対応にしたものかと思っていたのですが、全く違うものを模索しているようです。「ラブプラス」、「アトリエシリーズ」、「モンスターハンター」、「twitter」、「電子メール」の良いとこ取りをしたように見えます。
パッケージを見て驚いたのはペッケージに記載された「KT」のロゴ。信長の野望OnLineなど古くからネットワークゲームを作っているコーエーテクモが協力しているのに、何故、こんなに大きな障害となったのかと思いましたが、単にグループ会社であって、協力は得られていないのかもしれません。
表向きのゲームの目的
寿命が尽きようとしている太陽を中心とした星系にある惑星が、星系を修復して惑星に留まるか、惑星をエネルギー化して別の星系に移住するかで、「地文派」と「天文派」に分かれている世界。それぞれの派閥の代表となる皇帝候補が皇帝の座を争うこととなり、「天文派」の皇帝候補となったのが主人公の「イオン」。しかし、今のイオンは、過去をすっかり忘れ、ニート生活をしている。イオンの過去を思い出させることで、ストーリーを進めることになります。イオンは、「マイ半田ごて」を持つ「技術ヲタク」の「ニート」という今風の設定となっています。
世界観は「昭和の温かみ」をイメージしたとありますが、ターゲットとする平成世代に通じるか疑問です。
本当のゲームの目的？
ゲームの比重のかけ方や、ディレクターの話などを見ていると、「イオン」は単なる客寄せであり、実質は、シャール（後述）の育成を介したSNSの確立と、その運営ノウハウの蓄積、ユーザーとの直接対話の場作り、その他各種調査、ではないかという気がします。
システム
全12幕のストーリーとなっており、購入時は第1幕しか添付されていません。発売後、毎月、1幕ずつダウンロードコンテンツ（以下DLC）として配信する予定だったのでしょうが、重大なシステム上の問題が発生したため、その改修を優先するためか、現状の開発スケジュールでは、第2幕の配信は2012/6/28と、発売から2か月後となっています。ストーリーを楽しむのなら、1年付き合わなければならないことになります。
利用規約
NEW GAMEで起動すると、「シェルノサージュタイトル利用規約」というものが表示され、これに同意しないと進められないようになっています。ネットワークゲームというよりSNSゲームだからだと思われます。
ただ、よく読んでみると、「事前の催告なしに」、「事前の通知をすることなく」、「事前にプレイヤーに通知することなく」など、ネットワークサービスを提供する側としてどうかと思われる記述が多々あります。
現時点では、利用規約のようなことはなく、メンテナンスに関しては、twitterや、シェルノサージュサポートページで事前告知はされています。ゲーム内でも数時間前になってやっとですが、起動時にメンテナンスの告知が出ましたが、見逃すとゲーム内では確認する方法はありません。
バグ
ゲームを始めたときには、Ver.1.03のパッチが配信されていました。スタートさせると問題無く進むので、結構、直っているのではと思っていたのですが、いきなりエラーが表示され進まなくなってしまいました。Live Areaに戻り、一度終了させ、シェルノサージュを再起動したのですが、その後は度々エラーで落ちるようになりました。PSVITA自体が落ちることもありました。
様子を見ていると、サーバーへのアクセスが必要な場合、ネットワークが切断されていても再接続して、問題無く進むところと、サーバーにアクセス出来ないと、いきなりエラーで止まってしまうところがあり、分業でプログラムを作ったが、サーバーアクセス時のエラー処理方法が統一されていなかった、というような気がします。
また、止まらなくても、イオンに何かの制作を頼み、中断して、別のことを頼んだりすると、制作していたものが浮いた状態になったりします。
ゲームの進行
ゲームは、PSVITAをイオンの世界と繋がる端末に例えて、イオンの夢世界の妖精（以下シャール）を雇用し、イオンの夢世界を修復することで、イオンの記憶を取り戻させて、話を進めていくことになります。
イオンの世界では、お金は必要ありません。こちらから必要なものを頼むと何処からか持ってきてくれます。これを材料にイオンに何かを作らせることが出来るのですが、この部分はアトリエシリーズのガストらしいところに思えます。今のところ、イオンに作らせたものは、サブイベントに必要なもので、メインのシナリオの進行には影響しないようです。
イオンとのやり取りではお金は必要ありませんが、シナリオを進めるためには、シャールを雇い、イオンの夢世界の修復をやらせなければなりません。このシャールの雇用にヒュムノポイント（以下HymP）というポイントが必要となります。
修復する部分には、「水」「木」「金」「土」の属性があり、シャールにもこの内の一つの属性があります。シャールは自分と同じ属性部分しか修復出来ません。例えば、「水」「木」「金」の属性の修復部分を、「土」属性のシャールに修復させても修復は永遠に終わりません。しかし、修復にあたり他者が雇用したシャールに協力を頼むことが出来るため、自分ですべての属性のシャールを雇用する必要はありません。前例の場合は、「水」「木」「金」の属性のシャールに協力を頼めばよいことになります。
1回の修復には中断しない限り、自分のシャールは1体しか当たらせることは出来ません。修復を完了させることで、シャールの経験値やシンクロ率、HymPが得られます。他者のシャールに協力を頼むと、早く終わりますが、修理を担当させなかった自分のシャールの経験値がなかなか上がらないことになります。
他のシャールに協力を頼まず自分の雇用しているシャールに属性ごとの修復をさせ、中断、修復繰り返すことで修復は可能ですが、最後に修復を完成させたシャールだけが経験値とシンクロ率を得られます。途中まで修復したシャールはタダ働きということになります。
雇用価格
シャールはJAN8またはJAN13のバーコードから生成します。同じJANコードからは必ず同じシャールが生成され乱数要素はありません。他者が自分と同じバーコードからシャールを生成することもあります。その場合、他者と自分で1体のシャールを雇用することになります。多くの人に雇用されたシャールはみんなで経験値を貯めることとなり、シャールのレベルがどんどん上がります。「レベルが上がる＝価値が上がる」ということで、多くの人に雇用されたシャールの雇用価格は急騰します。
これは、他者が育てた分、後から雇用するには多くのHymPが必要になるように意識的に作られたためですが、それが仇となり、あまりにも急騰したため多くのシャールが雇用できない状態になってしまいました。
例えば、第１幕が終わったところで、私は「所持HymP：19215」なわけですが、このシャールは契約に30倍以上のHymPが必要な状態になっています。ただし、雇用しているシャールの数が多いほど高くなるので、もう少し安く雇えるかもしれません。
バーコード
バーコードはJAN8かJAN13なら何でもよいのですが、PCゲームのパッケージで試してみたところ、同じようなシャールしか生成されませんでした。どうも、大分類を会社コードで見ているようなので、PCゲームは流通会社が同じものが多いためのようです。試したPCゲームはすべて「水」属性のシャールになりました。コンシューマーゲームの方がいろいろ違うシャールが生成出来るようです。
ガストの製品については、製品ごとに特殊なシャールが生成されるようです。バーコードさえわかれば、バーコード生成サイトや、ExcelなどでJANコードは生成出来ます。例えばこんなものでも。
キャンペーン
現状は、バグにより起動できなくなり、NEW GAMEからやり直さなければならない状態になる障害が、いまだ発生してます。すると、今まで自分で経験値を稼いできたシャールが、高騰により再雇用できない状態になっている場合があります。
それを回避するため、感謝キャンペーンという名目で、第2幕が配信される前日まで、3体のシャールまでは0HymPで雇用できるように妥協策を実施しています。ただ、これではSNSによる繋がりには対処出来ないので、シャール復元申請ツール、フレンド復元申請ツールというものも提供されました。ツールとはいうものの、サーバー側のセーブデータを手作業で修復するもののようです。現状4万人以上いるプレーヤーが離れないように、ここが踏ん張りどころと思ったのでしょう。
販売タイプ
シェルノサージュには、限定パッケージ版（AGENT PACK）、通常パッケージ版、ダウンロード版があります。初回出荷分（限定版、通常版）にはDLCとしてイオンの「白ビキニ+シャツ」の衣装が付いています。
限定版には機密書類がいろいろ付いているのですが、その中に3つのバーコードを見つけることが出来ます。このコードから3種類の属性のシャールを生成することが出来ます。
属性：木
属性：金
属性：土
また、限定版のパッケージのバーコードからはこのシャールが生成出来ます。
属性：木
やり直し
シェルノサージュにはクエーサーという全ユーザー参加のSNSというかそういうものと、同じシャールを雇用する仲間のSNSなど、いろいろなコミュニティが作れるようになっています。ここを見ると、この時点で40704人がシェルノサージュをやっている（やっていた）ことになります。
また、開発側へ直接メッセージを送る機能もあります。ゲーム雑誌やWebでのディレクターの話では、「スタッフとユーザーとの対話」とありますので、今後、このゲームがどうなるか未知数です。
第1幕は、他者のシャールの協力を得ずとも、一週間も掛からず終わります。シャールのレベルの違いは修復のスピードであって、「レベルが低いため修復出来ない」などということはありません。
なので、ある程度進めて、コツがわかってきたら、NEW GAMEでやり直すのもよいかもしれません。今回の障害は不幸な事故ですが、逆に考えれば、感謝キャンペーンの期間中は、3体までのシャールを0HymPで雇用できるので、第1幕を丸ごとチュートリアルと考えて何度でもやり直すことが出来ます。
上記の高騰したシャールを雇って、第2幕を万全の態勢で待つとか、レアなシャールを探してみるとか。私の雇用したシャールは未だ共有者が3人しかいません。レアですがレベルがなかなか上がりません。
